ローマの信徒への手紙 11章13~24節
この箇所でパウロは異邦人の救いについて述べるにあたり、野生のオリーブの枝が神様の幹に接ぎ木されるという譬えをもって語っています。ユダヤ人は自分達だけが神様の選民であり、救いは自分達だけにもたらされるものと信じてきました。現にパウロ自身も、かつてはユダヤ人の教えの中心である律法について、その道の権威から学んだエリートでした。しかし彼は復活のイエス様のみ声を聴いた時から、イエス様の十字架における贖いの死こそが救いの全てであると悟ったのです。すなわち彼の考えたことは、この救いはユダヤ人に限らず全ての異邦人に広く宣べ伝えられなくてはならないということでした。つまり野生のオリーブの枝であろうと、真の神の幹に接ぎ木されるなら、立派な実を結ぶことが出来ると彼は説いたのです。こうしてパウロに始まった宣教の業は今日、世界中の人々に、すなわち異邦人の全てに広まっています。
フランシスコローマ教皇が来日され、それに伴い世界にはカトリック信者だけで13億人もいることが知らされました。しかし、神様を信じる者達の住むこの世界の厳しい状況について、教皇は様々な場所で強く警告なさいました。スエーデンの16歳の少女グレタさんの言葉を借りれば「人類が今、絶滅に向かって確実に進んでいるというのにあなたたち大人は一体何を考えているのか?」
愛と平和の実を結ぶべく、神様の幹に接ぎ木して頂いた私達一人一人が、出来るところでそれぞれが与えられている使命を果たしてゆきたいと願います。