このところの猛暑の凄さは恐ろしくなるほどです。けれど恐ろしさを感じるのは気候のことだけではありません。昨今のテレビや新聞で見聞きする政治の世界の様々な出来事にも怖さを感じるのです。どんな嘘も、欺きも、ごまかしも堂々とまかり通ってしまう。人は何のために嘘をつき、騙し合うのでしょうか?それは自分の利益を守るため、自分が損をしないためです。一方、西日本豪雨災害の地で大勢のボランティアが酷暑の中、つらい復旧作業に従事している姿には本当に頭が下がります。
考えてみますと、保身のためには場合によって嘘偽りも辞さない、という醜い側面と、困った人を助けたいと純粋に思う気持ちとが私達一人一人の心の中にも共存しているように思います。
イエス様は「天に富を積みなさい」と仰います。富とは金銭はもとより名誉や人からの評価など自分にとって得になるあれこれです。しかし、必死で手に入れた物が、時の流れによってそれらを価値のない物に変えてしまうこともしばしば起ります。その結果は空しいものとなります。
天に富を積むとは永遠に続く天の国に朽ちない富を積むということです。
イエス様の大事な教えの中に「人にしてもらいたいと思うことは何でもあなたがたも人にしなさい」という御言葉があります。自分に対して蓄えた物は何一つ天国に携えてゆけないが、人にしてあげたことだけは、天国に携えてゆける、と言われます。人に対するささやかな手助け、温かい言葉かけ、小さな慰め・・・。日々の生活の中で、それらを少しずつ積み上げて、全てを知っておられる神様に喜んで頂ける宝物を増やしてゆきたいものです。
「天に富を積む」(2018.7.22)
投稿日:7月 22, 2018 更新日:
マタイによる福音書6章19~21節
-説教要旨