マタイによる福音書10章26~33節
26節「人々を恐れてはならない。」
イエス様を証したり、その教えを守ろうとしたり、自分はイエス様に
従う者だと表明することが自分の命に関わって来る。やがて弟子たち
がそのような目にあうことをイエス様はご存じでした。
ご自分の道が十字架に続くことを知っておられたイエス様は、ご自分
に続く者達の運命を知っておられたのです。現に弟子達の多くが殉教
の死を遂げたと言われています。
日本の国でも戦争中、天皇を人間を超えた存在として崇めることを拒
んだ人々は迫害され、獄死した人々もいました。映画「沈黙」には、
江戸時代の苛烈なキリシタン迫害の実態が描かれています。
現代においても、世界各地でクリスチャンであるが故の迫害を受けて
いる人々がいます。それを思うと、今の日本の平和を感謝せずにいら
れません。
けれどイエス様が仰っているのは、どのような時代に生きようと、ど
のような状況にいようと、神様がどのような方かを知っていなくては
ならないということです。この方は魂も体も地獄で滅ぼすことの出来
る権威をお持ちであり、同時に造られた人間の髪の毛の1本1本まで
数えておられる方です。自分は何があってもこの方に従うという姿勢
を貫いていることが大切なのです。けれどイエス様は人間の弱さもよ
くご存じです。あの一番弟子であったペトロの裏切りさえも赦してく
ださった方は、一人一人の心の戦いを知っておられ、そのうえで大き
な期待を寄せて下さっているのです。